職員による季節の連載
明日館だより
明日館だよりのご案内
明日館を運営するスタッフによる季節の連載『明日館だより』。いつもいるからこそ気づく、建物の様子、季節の移り変わりをお届けします。
連載 01|幾何学模様の陰影美
HPリニューアルにあたり、季節の明日館だよりをお届けしたいと思います。
いきなりですが、夏の明日館、冬の明日館、どちらが好みでしょうか。
桜の葉、芝生の緑色、そして、緑青色の屋根が映える夏のイメージが好まれているような気もしていますが、太陽が低い冬の明日館もおすすめしたいと思います。
窓から入り込む日差しと建具の幾何学模様がつくる影。
柔らかい日差しが床に文様をつくるのと同時にワックスで磨かれた床がその光を反射し壁を照らすことでいつも薄暗い部屋全体が明るくなる。
朝はシャキッと、夕方は寂しげな、1日の中でも日差しの柔らかさの変化が楽しめる。
ライトと遠藤の設計の玄関は、建物に入ったあと、暗く、低く、狭い。
その先の部屋では明るく、高く、広く感じてしまうという仕掛けがある。
これに、先にも書いた冬の日差しが加わることで空間の魅力が倍増する。
谷崎潤一郎『陰影礼賛』の世界がここにあるような気がしてならない。
春に向かうこの時期にこんな話を聞かされて困るかもしれない。
もし、そんな風に感じてしまったとしたら、ぜひ、春夏秋冬、朝昼夕、いろいろな表情の明日館を訪ねてみてください。その時にしかない明日館の姿を見ることができるのはあなただけしかいないでしょう。